野球でいえば素振り、サッカーでいえばシュート・ドリブル、バスケットでいえばフリーシュート、みたいなものととらえればいいでしょう。
茶道のすごいところは、基礎から応用への組み合わせのバリエーションの豊富さと、その場の都合による臨機応変性の高さにあります。
ビジネスでいえば、割稽古とは
ビジネスメールの書き方
電話応対の仕方
上司・先輩・同僚たちへの報告の仕方
議事録の書き方
報告書の書き方
コピーのとり方
手紙の書き方
FAXの送り方
お茶の出し方
お客様のご案内方法
といった、新人時代の細かいタスクにあたるでしょう。
よく、「会社が教えてくれない」「会社の研修がひどい」とかいう若手がいますが、優秀な新人は「割稽古」を一人でやっているものです。
割稽古は、「こうかな、あーかな?先生はどうやっていたかな」という記憶の追体験になります。たとえば服紗さばきでポンッと音を立てるのは水屋(いろいろと準備する場所)への合図だったりするわけですが、それをいかにちょうどよく行うかは、先生のすごいお点前を思い出しながらの復習になります。
この割稽古が、何につながっていくのか、茶道では教えてくれます。
ビジネスでも、たとえばお茶出しが、どれだけ仕事に重要なのかを新人につたえる必要があります。それがなかなかできていないから、「私はお茶出しをするために会社に入ったわけではない」「コピーばかりは納得いかない」とか言われてしまうのですよ。がんばってください。