昨日は茶道のお稽古でした。先生のご都合で教室が整理され、今まで他の曜日で受講していた生徒さんといっしょになっています。皆さん非常に向上心が強く、正直置いていかれています(笑)。いろんなことを先生に質問するので、こちらは聞いているだけで参考になります。
「上達の法則」という本では、「達人は、すべての情報がコード化(テキスト化)、スキーマ化(構造化)されていて、長期記憶の中に記憶されており、必要な場合に高速で検索し、回答することができる」といった内容が書かれています。
生徒のささやかな質問から高度な質問まで、丁寧に答える先生を見ていますと、やはりコード化とスキーマ化、さらに豊富な実体験を垣間見ることができ、毎回感動しています。脳を使われているからか、お茶を毎日飲んでいるからかわかりませんが、同年齢の方よりもお元気ですばやい。
そこで、初級者(私はこの位置)から中級者、さらには上級者(講師の資格をお持ちの方はこのあたり)に上り詰めるためには、練習学習が必要なわけです。このコード化とスキーマ化を意識して学習すると、能率があがるなぁと思っていました。
しかし、そんなのは茶道の学習システムに当然あるのです。
たとえば「割り稽古」。
お稽古の初期段階に、服紗のさばき方(茶道ではお点前の途中、水屋という準備エリアの人に合図を出すために、各所で音を出します。服紗でもパンという音をたてます。あるいは道具を極める際の折り方があります)や茶筅とおし(茶筅を洗ったり、竹が折れていないか確認する作業です)だけを練習します。これは、その動きを分割して学ぶものです。
↓洗える服紗って便利です。

たとえば「お稽古中はメモをとってはならない」。
お稽古中はメモをとってはならない、というルールがあります(流派や先生によって差があるかもしれませんが)。ではどうやって覚えるかというと、ひたすら口の中あるは頭の中で唱える。そして、お稽古が一区切りしたり、終了したりした際にメモを書き出す。
これは先述の「上達の法則」では「リハーサル」という作業だと解説しています。これは短期記憶にある程度の時間とどまらせる効果があるそうです。
このようにこまかくコード化して記憶させながら、お点前の流れ、お茶事の全体の流れ、季節ごと、お客さんの数、正客の都合などなど、様々な状態に合わせた構造を記憶させてスキーマ化する。
茶道に限らず、なにかを極めている皆さんは、これが徹底しているそうです。
私は茶道以外にもチャレンジしていますが、この茶道の学習システムは参考になります。
茶道を始めた方。この本は必見です。
posted by 茶疾風(cha-hayate) at 18:10
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お茶を研究する